どうも、Fusion360の使い方にまだまだ慣れないサンドマンです。
今回は、僕らのガレージの期待の新設備、CNCルーターの新規導入に向けた準備!についてお送りします。
突然ですが、ここで当ブログをよく読んでくださる方ならば疑問に思うことでしょう。
「CNCルーターならすでにあるんじゃないんですか?」
その通りです。以前に当ブログでもCNCルーターの設置や活用について何回か取り上げたことがありました。しかしそのCNCルーターに関しては、諸般の事情によりガレージで引き続き使用することができなくなりました。
一方で、CNCルーターを使いたい利用者は着実に増えている状況で、こうしたニーズに応えるためにも、代わりとなるCNCルーターの設置が急務となっております!
さらに。せっかく新たに設置するのであれば、これまでのものを凌駕した機能を備えたものを作りたい!と考えるのが技術者としての性(さが)でございます。
そこで私たちは、これまでのCNCルーターを超える、より高機能なCNCルーターの設計・製作に着手したのです!
【設計コンセプトはこちら!】
①セットできる材料(ワーク)のサイズを拡張!
以前のCNCルーターは、上下方向の軸(Z軸)の可動範囲が狭く、実質的には最大高さが30mm程度となっていました。今回作るものはこれをさらに拡大し、分厚い素材でも加工できるようにします!
同様に、縦横(X・Y軸)も広げて、いわゆる「サブロクバン」の板を一発で加工できるようにしたかったのですが、設置スペースの都合、今回は断念です・・・
②高剛性!
Z軸の可動範囲を広げるといっても、単にZ軸を伸ばすだけだと、剛性が下がる(フレームが曲がったりねじれやすくなる)ことで加工精度に影響が出てしまう危険性があります。そこで今回は、機械全体の剛性にもしっかりこだわります。
主構造にはアルミフレームではなく鉄のフレームを採用。フレーム同士の連結も強固なつくりにすることで、たわみやねじれを極力抑えます。
各軸のガイド機構も従来の「アルミフレーム+ウレタンローラ」ではなく、商用の工作機械でも多く採用されているLMガイド(リニアガイド)を採用し、剛性を格段にUPします。
これにより、Z軸を広げても高精度な加工ができるだけでなく、条件次第では軽金属(アルミなど)を削れるパワフルなCNCルーターとなるのです!
それに合わせて先端工具の主軸にも、パワフルなスピンドルモータを採用することにして、準備万端です!
③多様な先端工具を使いこなす!
せっかくこれだけ巨大な機械を入れるのだから、様々な用途に使いたい!
そこで、先端にはルーター(回転主軸)だけでなく、シートの切断、レーザ彫刻、発泡スチロールのカットなどなど、様々な用途の先端工具を取り替えて使えるようにしたいと考えています。
先端工具の交換を取り替えやすくするための工夫も欠かせませんね!
【というわけで、設計!】
今回も毎度おなじみのFusion360で設計です!今回はMr.H氏による基本設計→私サンドマンによる詳細設計ですー
こんな感じ!
Y軸とZ軸は2本ずつあります。(奥側を省略しています)
剛性を重視するため、以前のCNCルーターと同様に門型構造です。
ただし以前のものと異なり、軸の組み付け順序を根本からY→Z→Xの構成としました。Y軸と同様に、Z軸を左右に2本配置し同時に動かす構造とすることで、Z軸の剛性を強化することができました!
この副作用として、X軸のフレーム全体が昇降してしまい、Z軸の全ストロークをワークの高さとして有効活用できなくなりますが、今回は剛性重視ということでこのまま行きます。もし剛性はそれほど必要なく、高さがもっと欲しい加工をする場合には、先端工具に装置のZ軸とは独立して駆動する、別のZ軸をつけることで対応すればOKでしょう!
メインのフレームには、リップ付き溝型鋼(断面100×50mm、t=3.2mm)を使用!もともと別用途で使うために購入し、ガレージに保管してあったものをうまく利用します。Z軸を除いて、この中にLMガイドと駆動用の台形ネジ軸を収め、まるで市販の直動ユニットのような仕上がりにします!加工時の粉塵も入りにくくなりますね。
足に使う部材のモデル。
リップ付き溝形鋼を追加工して作ります。
Y軸モータ周辺部。LMガイドや台形ネジ軸が溝形鋼の中に収めてある
フレームどうしの連結部や、台形ネジ軸を支えるベアリングホルダなど、主要な金属部品はほぼすべて自力で製作します。(僕らのガレージらしいですね)
さらに今回、台形ネジ(Tr14×2)そのものも自作します!パッシブな制御系で少しでも振動に強くするために、ねじ径を少しでも大きくしたいと考えました!しかしそうすると国内で調達するのが難しいサイズになってしまい・・・(笑)
丸棒から手作業でのネジ切り・・・なかなかの重労働だ!
もちろん、加工時の剛性やモータの容量などについて設計計算はしっかりと。3DCADを用いてFEMを行い確認しました。
なお設計の結果、基本スペックは以下の通りとなりました!
この通りに作れる、かな・・・!?
それでは!
(サンドマン)
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