どうも、サンドマンです。色々と騒々しい世の中、目立った貢献をしている人だけでなく、影から縁の下で支えている方々にも尊敬の念を持ちたいものですね。
さて今回は、先日の記事で稼働開始を紹介したレーザー加工機について。先日の記事では、レーザー加工機そのものの改造についてレポートしましたが、安定して動作させるためには様々な補機達が必要です。今回は、縁の下の力持ちである「補機の数々」を紹介していきたいと思います!
★こちらのレーザ加工機だよ★
絶賛利用者募集中です!
【本体の下に補機がたくさん!】
まずはレーザー加工機の下に鎮座している補機の数々をご覧いただきましょう。こちらです!
あまりにもたくさんの物体が雑然と並んでいて、何がなにやら・・・な感じかもしれませんね。一応機能別に吹き出しの塗りつぶし色を色分けしてみました。
この補機達は、大きく分けて以下3つの機能を担っています。
- 機内の集塵
- 加工ヘッド付近のエアブロー
- レーザー発振管用冷却水の供給
それでは、それぞれについて説明していきましょう!
【機内の集塵】
ご存知の方も多いかと思いますが、レーザー加工機はワークをレーザで燃やして/融かして加工するので、機内で煙が大量に発生します。何も対策しないまま使用すると、周囲がめちゃくちゃ煙臭くなります。長く吸い続けていると多分有害だと思います。
そこで、ブロワにより機内から煙を含む空気を強力に吸い出し、集塵機で煙の成分を可能な限り除去していきます。
まず、機内から吸い出した空気は、湿式集塵機に流れ込みます。こちらの集塵機はレーザー加工機とセットで譲っていただいたものです。
湿式集塵機には、あらかじめ上の写真に示した水位まで水を入れておきます。吸い込んだ空気は点線の経路で通り、一旦水中をくぐります。このとき空気中の塵を洗う仕組みです。この流路、結構複雑ですよね。きちんと水にくぐらせつつ、水が箱の外に飛び散らないようにいろいろと考えられています。
空気は水をくぐった後、今後は箱の裏側に回ります。
こちらが箱の裏側。
箱の裏側には活性炭を詰めておき、水では十分取りきれなかった微小な塵やニオイを取り除きます。
活性炭はこんな感じで売ってます。
こんな感じでネットに詰め、箱に収めます。今回はガレージにあった三角コーナー用ネットを利用。
活性炭の目が細かすぎたり、箱にぎゅうぎゅうに詰めすぎたりすると、空気の通りが悪くなってしまうので、程よい塩梅が大事です。
湿式集塵機の箱を出た空気は、下の写真にある巨大なブロワを通って待機中に放出されます。この準備をしておくだけで、レーザ加工機周辺の臭いが大幅に低減されます!
今回使用したブロワは3相200V駆動(いわゆる「動力」)。家庭用の単相100Vコンセントの電力では直接動かせません。そこで、単相100Vの電源を倍圧回路により直流200Vに変換した後、上の写真右下に写るインバータに送り、3相200Vの電源を作っています。
単相/三相ってなんだ?という方はこちらのWebサイトをご参考にどうぞ。
倍圧回路の構成例は以下のWebページなどを参考にどうぞ。
また、ブロワの動作音は結構大きく、常時稼働させておきたくはないので、レーザ加工機の動作に合わせてON/OFFする仕組みを作っています。
そのミソが、先ほどの写真にも出てきたこちらの箱。中にはリレーが入っていて、レーザ加工機本体の動作信号を受け取って、インバータにON/OFFを指令する制御信号を送っています。
言い忘れていましたが、箱そのものも3Dプリンタを使って自作しました
【加工ヘッド付近のエアブロー】
ブロワとは別に置かれている小さなエアポンプは、加工ヘッド付近のエアブロー用に準備されたものです。こちらもレーザ加工機本体と一緒に譲り受けたものです。
ポンプから送り出された空気は、本体裏の専用ポートを介して機内に送り込まれ、
加工ヘッド付近に送り込まれます。
このエアーの役割は、①レーザ照射位置に積もった塵を吹き飛ばして発火を防ぐこと ②レンズの汚れを除去すること の2点です。これにより、安全かつ高品質な加工が実現できる、というわけですね。
【レーザー発振管用冷却水の供給】
以前の記事でも紹介したように、レーザー発振管はものすごく発熱しますので、使用時には冷却水を流し続ける必要があります。もともと今回譲り受けたレーザー加工機は、冷却水を機内で循環させ、機内後方に設けられたタンクで自然冷却させる構造でした。しかし、空調のないガレージ2階で使うとなると、真夏の高温環境下では冷却水がお湯になってしまうリスクがありました。
そこで、冷却水を機外で強制的に冷却する仕組みを後付けしました!
さて、こちらに見えるのはコイルチューブ。Mr.H氏が銅管を手作業を曲げて製作した力作です。こちらを・・・
アサヒのチラーにドボン!
なるほど。この銅管の中に冷却水を通してキンキンに冷やすわけですね!
ちなみに既に御察しの方もいるかもしれませんが、こちらのチラー、正しく使うとアサヒの冷たい生ビールが飲めます(笑)。
機内とチラーを結ぶ水配管の経路は、装置裏の排気ダクト接続口をうまく使って確保します。
チラーからの配管は機内の冷却水タンクまで繋がっています。機内を循環する水の流れとは全く別系統なので、機外にポンプを別途設けています。
なお今回使用しているチラーは、全く制御しないと氷点下まで水を冷やしてしまうので、サーモスタットを外付けして温度制御します!
サーモスタットのケースの蓋はレーザ加工機で製作しました!
僕らのガレージでレーザー加工!アクリルもばっちり切れるな。 pic.twitter.com/RKEzbhR3Kp
— Nii (@neet2121) July 31, 2021
さらにチラー自身の蓋もレーザ加工機で製作!
カット! pic.twitter.com/mSUt0KL37V
— Nii (@neet2121) July 31, 2021
こんな感じでできました!
自分自身に使う補機や治具を自分自身で作る。まさにDIY。自活している感じで良いですよね(笑)
この装備があればきっと、真夏でも安定稼働してくれることでしょう!
さて、少々長くなってしまいましたが、いかがだったでしょうか?レーザ加工機には様々な補機が使われていることを、皆様に知っていただけたかと思います。
3Dプリンタと違い、レーザ加工機が家庭に普及しにくい原因は、このような補機を準備する手間にもあるのかもしれませんね・・・。でもこれらを一旦きちんと準備さえしてしまえば、後はかなり簡単に使用できますよ!
僕らのガレージでもこのレーザ加工機をフル活用して、今後も様々なモノづくりにトライしていこうと思います!
現在、レーザ加工機の利用者絶賛大募集中です!ご興味のある方はお気軽にお問い合わせを!
(サンドマン)
EmoticonEmoticon