太陽光発電には欠かせない機器!今回はチャージコントローラを選ぼう!
どうも!新しいメガネを買いました。サンドマンです。
今回買ったメガネはブルーライトカット付きです。デスクワークにもってこいですね笑
そんな話はどうでもよくて、今回の本題は太陽光発電です。
前回に引き続き機器選定についてのお話。今回はチャージコントローラを選びます。前回同様、基礎知識を交えながら紹介していこうと思いますのでどうぞお付き合いを!
(なお、設置を目指すシステムの全体構成はこちらをご覧ください)
【チャージコントローラの機能】
まずはじめに、チャージコントローラが何たるかを説明しなくてはいけませんね。
(ソーラー)チャージコントローラとは、オフグリッドソーラー発電システム(商用電源に繋がない太陽光発電システム)を構築する際に、ソーラーパネルとバッテリーの間に配置する機器です。
その主な機能は、ソーラーパネルで発電された電気を、発電状況やバッテリーの状態を考慮して、適切な電流・電圧で充電するよう制御することです。その他、バッテリーの過充電防止機能や、バッテリーからソーラーパネルへの電流逆流防止などの機能も併せ持ちます。
また一般的に、チャージコントローラには負荷(インバータなど電気を使う機器)を接続できるようになっていて、バッテリーを過放電しないよう保護する機能も併せ持っています。
ちなみに、オフグリッドではないソーラー発電システムでは、チャージコントローラの代わりに「パワーコンディショナ」を使います。ここでは充電電流制御ではなく、系統連系を行なっています(※)
(※)商用電源に電気を送れるようにするために、発電した電気を交流に変換し、かつ商用電源と電圧・周波数・位相を合わせること。
というわけで、チャージコントローラは非常に大事な機器です。ソーラーパネルとバッテリーを直つなぎすることは不可能ではないですが、様々なトラブルが発生しますのでくれぐれもやめましょう!
例えば鉛蓄電池の場合、以下のような問題が起こり得ます。(参考:[1])
- 過充電により電池が劣化する
- 過剰な充電電流が流れ、バッテリーが爆発する(本当に危ない!)
- 夜間にバッテリーの電流が逆流し、ソーラーパネルに消費されてしまう(本末転倒!)
【選定時の主なチェックポイント】
それでは、チャージコントローラの選定をしていきましょう。まず、選定時に確認すべき主な項目についてまとめておきます。①使用するバッテリーの種類
②構築するシステムで使う公称電圧(12V系、24V系、etc.)
③最大入力電流・電圧
④充電制御方法(PWM or MPPT)
⑤省エネ機能
それでは一つずつ、確認していきましょう!
①使用するバッテリーの種類
まず、システムに使うバッテリーの種類にあったものを選びましょう。なぜなら、バッテリーの種類によって推奨される充電方式が異なるからです。
オフグリッドソーラーシステムで最も使われる鉛蓄電池ではCV方式(定電圧方式)が主に使われます。急速充電の必要があれば、CCCV方式(定電流・定電圧方式)などが用いられることもあります。おおよそ下図のような感じです。一方で、リチウムイオン電池は安全上充電時の電流と電圧を共に管理する必要があるため、CV方式は使われず、CCCV方式を用いるのが一般的なようです。詳しくはこちら([2][3])をどうぞ。
現在市場に出回っているオフグリッドソーラー向けのチャージコントローラの多くが、鉛蓄電池用に最適化されています。リチウムイオン電池に対応しているものもありますが、まだそれほど多くないようです。購入の際はまず確認くださいね!
②構築するシステムで使う公称電圧
バッテリーの種類と同じくらい大事なのが、構築予定のシステムの公称電圧です。充電電圧や電流を制御しようにも、相手のバッテリーの公称電圧が何Vなのかが分からなければ、制御のしようがありません。
鉛蓄電池用のチャージャーであれば、12V系と24V系に対応したものが最も多く出回っていると思われます。中には12、24V系両方に対応したものもあり、手動で切り替えられるもの、接続すると自動でどちらか検知できるものがあります。
構築するシステムの公称電圧に合わせたものを選びましょう。
③最大入力電圧・電流
次に、チャージコントローラに加わる電流・電圧の最大値を確認しましょう!
前回の記事で掲載した以下の図(電流・電圧特性)を思い出します。
電圧はソーラーパネルの最大電圧、すなわち「開放電圧」を確認します。これを上回る入力電圧を許容していればOKです。当然ですが、パネルを直列接続する場合には枚数分掛け算することをお忘れなく。
電流はソーラーパネルの最大電流、すなわち「短絡電流」を確認します。これを上回る入力電流を許容していればOKです。これまた当然ですが、パネルを並列接続する場合には、並列数分掛け算することをお忘れなく。なんだか書き方がくどいですね。
④充電制御方法
一般に販売されているチャージコントローラの充電方式は、PWM方式とMPPT方式の2種類に大別されます。PWM方式よりもMPPT方式の方が充電効率が高いですが、価格が高めの傾向にあります。
ちょっとお試しでシステムを組む程度ならPWM、そこそこ本格的/大規模にシステムを組むならMPPTを選ぶといいですね。
PWM方式:(参考[4][5])
PWMとは、Pulse Width Modulation(パルス幅変調)の略です。ソーラーパネルからの電力を、コントローラないで高速スイッチングして(OnとOffを繰り返して)、パルス状の電圧波形を作ります。これをコンデンサでならすことで、ソーラーパネルからの入力電圧を下げることができます。どのくらい下げるかは、スイッチングの仕方によりパルスの幅を変えれば制御することができます。
一般に、バッテリーへの出力電圧を一定に(あるいは、バッテリー電圧に応じて数段階で切り替えて)制御します。
PWM方式のざっくりイメージ。回路は正確ではありません。
図のように、パルスの幅(onになっている時間割合)を上げることで、
出力電圧をコントロールすることができます。
DCモータの速度制御にも使う手法ですね。
MPPT方式:(参考[4][5])
MPPTとは、Max Power Point Tracking(最大電力点追従)の略です。最も効率よく発電するには、電力が最も高くなるように、すなわち最大電力点となるように制御する必要があります。MPPT方式では、この最大電力点を探索し、ソーラーパネルからの入力電流・電圧を制御します。
先ほどお見せした電流・電圧特性のグラフを修正し、縦軸を電力に書き換えてみましょう。山の頂点が最大電力点になります。最大電力点は、日照量や気温・影の有無などの環境条件によって時々刻々と変化しているので、事前に知ることはできません。
そこで最も一般的に用いられているのは、山登り法です。電圧を微小に上げたり下げたりし、最大電力点を目指していきます。
山登り法のイメージ。
山を上下反転させて、ビー玉を転がしたときの動きをイメージするとわかりやすいかも?
⑤省エネ機能
太陽光のエネルギーを効率よく蓄電したのに、チャージコントローラ自体が電力を消費しまくっていたら元も子もありませんね。そこで、チャージコントローラの一部には、発電しない夜間などに充電機能をストップする省エネ機能が搭載されています。
本格的なシステムを組むのであれば、省エネ機能ありのものを選ぶのがおすすめです。
【それでは、選びます!】
それでは、今回のシステムに合ったチャージコントローラを、上記のポイントに沿って選んでいきます。今回構築中のシステムは、鉛蓄電池を用いた24V系のシステムです(システム構成の詳細はこちら)。また、前回の記事で選んだソーラーパネルの特性を確認すると、
パネルの裏にも書いてあった。
- 開放電圧Voc:21.6V
- 短絡電流Isc:6.17A
と書かれていますね。これを2直3並で使うので、
- 電圧:21.6 × 2 = 43.2V
- 電流:6.17 × 3 =18.51A
に対応できるものを選べばいいですね。
というわけで今回選んだのはこちら!今回も中国製品です。
仕様をまとめたものがこちらです。
要求仕様 | 選定品の仕様 | 判定 | |
バッテリーの種類 | 鉛蓄電池 | 鉛蓄電池 | OK |
システム公称電圧 | 24V | 12V系/24V系(選択可) | OK |
最大入力電圧 | 43.2V | 24V(12V系の場合), 48V(24V系の場合) | OK |
最大入力電流 | 18.51A | 60A | OK |
充電制御 | できればMPPT | MPPT(※) | OK |
省エネ機能 | できれば欲しい | あり | OK |
すべて要求仕様を満たしました。
最大入力電流に大きく余裕を持たせているのは、将来的にシステムを拡張しても使えるようにするためです。ただし、最大入力電流が大きいものは消費電力が大きいという説もあり、適切かどうかは少々怪しいです。
充電制御はMPPTにしました。この商品、MPPTにしては価格が安かった!ただし
注:100%True MPPTではありませんと記載があり・・・。実際どこまで発電効率があがるのか未知数です。まあ試してみればいいよね。
次回は選んだ機器でちょこっと接続テストをしてみた模様を軽く紹介しようと思います。
ではまた!
【参考Webサイト】
[1]東京デバイセズ株式会社 チャージコントローラの基本機能を理解するhttps://tokyodevices.com/articles/96
[2]新国環境開発株式会社(台湾) 一般的なバッテリー充電方法
https://www.nface.com.tw/jp/hot_307359.html
[3]松定プレシジョン株式会社 蓄電方法の種類と特徴
https://www.matsusada.co.jp/column/charge-sb.html
[4]NOMO Group(中国)ソーラチャージコントローラ:PWM対MPPT
http://ja.smartnewenergy.com/info/solar-charge-controller-pwm-vs-mppt-23898604.html
[5]株式会社共栄エレクトロニクス 太陽光発電と制御技術(PDF)
http://www.kyoei-ele.com/products/index.php/prod/info/89/file/2.pdf
※記載項目に誤りなどございましたらお知らせください。修正いたします。
(サンドマン)
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