太陽光発電計画、コツコツ進行中!今回はその準備の第一歩、ソーラーパネルを選ぼう!
さて、こちらの太陽光発電の企画、前回の記事から相当時間が経ってしまいましたが、現在もコツコツと進めております!これまでの取り組みを順次、こちらで公開してまいります!
前回の記事でシステム構成をざっくり固めましたから、ここからは各機器の選定・購入です!まずは本丸、ソーラーパネルの選定から!基礎知識と共に紹介していきます!
【そもそもどうして発電できるのか?】
選定の前に、これを知っておかないと気持ち悪くないですか?ここではごくごく簡単に説明しようと思います。(いつか詳細版もつくりたい。)
◎ソーラーパネルは、半導体の光電効果により電流を生み出します。
光電効果:物質に光を当てると電流が流れる現象です。高校物理で取り扱う内容ですが、なかなかイメージが沸かないと思います。例えばこちらの実験動画[2]を見るとイメージできるかもしれません。
ソーラーパネルの内部構造は、p型半導体とn型半導体の2つを貼り合わせた構造になっています。2つの接合部に光が当たると、光電効果により電子多めのn型半導体から電子少なめのp型半導体に電子が移動していきます。逆にn型半導体には電子がなくなった穴(正孔)が移動していきます。。ここに導線を繋いであげれば電流を取り出せる、というわけです。(若干端折って説明しています。より正確な解説はこちら[3]から。)
【ソーラーパネルの種類】
仕組みがざっくり頭に入ったところで、まずはソーラーパネルにはどのような種類があるか確認していきましょう!種類は以下のように分けられ、上記の説明で出てきたシリコンを使用したシリコン型と、シリコン以外の化合物を使用した化合物型に大別されます。シリコン型は従来から多く使われてきたタイプで、市場にもっとも多く出回っています。化合物系は効率こそシリコン型より低めですが、実発電量やコストパフォーマンスの面で有利なようで、今後の広がりが期待されます。
分類 | 効率[4] | 価格[4] | 個人での 入手性 | システム自作時の 利用可能性 | |
シリコン系
| 単結晶型 | 15.5〜20% | ◯ | ◯ | ◯ |
多結晶型 | 15〜16.5% | ◯ | ◯ | ◯ | |
アモルファス型 | 10%以下 | ◎ | ◯ | △ | |
ヘテロ接合 (HIT)型 | 18〜19% | ◯ | × | - | |
化合物系
| CIS型 | 13〜14% | ◎ | ◯ | △ |
CdTe型 | 13〜14% | ◎ | × | - |
さて、個人でオフグリッドソーラーシステムを組む場合に焦点を当てましょう。その際には価格のみならず、個人での入手性と利用可能性(システムの他の要素と組み合わせやすいか)を考える必要があると考えられます。
まず入手性については、Amazon等の通販サイトで確認したところ、その多くはシリコン系の単結晶型・多結晶型でした。アモルファス型やCIS型も一応買うことはできるようです。
次に、利用可能性ですが、ここでは出力電圧(詳細は後述)で判断します。オフグリッドソーラーシステムでは、広く市販されているチャージコントローラの仕様から、一般に12V系と24V系が多く使われます。一方で、メガソーラーや、個人宅向けでも売電をするようなソーラーシステムの場合、より高電圧のものが用いられます。発電した電気は高電圧で取り扱った方が送電時などのロスを抑えられますが、個人での使用は ①原則として有資格者でないと配線工事できない(詳細は今後説明)、②高電圧対応のバッテリーを準備しづらい という理由で敬遠されていたのでしょう(あくまで推測です)。
単結晶・多結晶型は、オフグリッド発電システム構築に適した出力電圧のものが多数出回っています。中にはチャージコントローラとセット売りしているものもあるほどです。アモルファス型で販売されているものは、主に卓上クラスの小型のパネルが多く、出力する電圧・電力が低すぎます。CIS型は系統連系&売電で使うような高電圧出力のものしか見つかりませんでした。まだ自作オフグリッドシステムへの利用は難しそうです。
と、いうことで、単結晶型・多結晶型のどちらかを使うのが安全そうです。
最後に単結晶型と多結晶型の比較をしましょう。単結晶型は、一つの大きなシリコンの結晶を切り出して使用しており、材料の純度が比較的高めです。一方で多結晶型は細かい結晶を寄せ集めて作られたもので、不純物が多めです。見た目はこちらの図をみるとわかるかと思います。(小さい頃は多結晶型をよく見たような気がするな。)
単結晶と多結晶の見た目比較(出典:[5])
発電効率は純度の高い単結晶型の方が高めです。一方で、価格は多結晶型の方が安いとされてきましたが、近年ではその価格差がほとんどなくなってきているようです。(少なくとも個人向けに販売されているものを見る限り、大きな差は感じません。)
だったら、単結晶型を使っておけばよくね?というのが個人的な結論です。
◎結論:単結晶型のパネルを使う!
【電気特性の読み方】
さて、次にパネルの電気的特性の見方を確認します。おもに①出力 ②開放電圧 ③動作電圧 ④動作電流 ⑤短絡電流の記載があるはずです。それぞれの意味は次の通りです。
図にするとこんな感じになります。
選定に当たっては、①最大出力、②開放電圧、③短絡電流 の3つを確認して選ぶと良いでしょう。①最大出力は、「今回のシステムでどのくらいの出力欲しいか?」を元に確認してください(システム全体の検討は以前のブログもご参考にしてください)。②開放電圧、③短絡電流は、セットで使用するチャージコントローラとの適合性を確認すればよいですね。チャージコントローラの仕様に、最大入力電圧・入力電流があるはずです。これを下回るようにしてください。なお、パネルをn枚直列or並列に接続する場合には、その分電圧or電流がn倍されることをお忘れなく。
【バイパスダイオードのはたらき】
ソーラーパネルを選ぶときは、バイパスダイオードが入っているものを選んだ方が無難です。実際のソーラーパネルは、先ほど説明したp型とn型半導体のセット(これをセルと呼びます)を1枚にたくさん並べて直列接続した構造になっています。もし、日陰などができてパネルの一部にしか光が当たらなくなった場合、光の当たらないセルは発電しません。それどころか、ただの半導体ですから、「抵抗」として機能してしまい、他のセルで発電した電力を消費してしまうことになります。ほとんど電流が流れなくなってしまうのです。
そこで、いくつかのセル毎に、電流がバイパス可能な線を設けておきます。そこで使用するのがバイパスダイオードです。より詳しい知識はこちらなどを確認あれ[6]。
「バイパスダイオード」ではなく単に「ダイオード」と表記されている場合もありますね。(「逆流防止ダイオード」と表記されるケースもあるようですが、その場合は少々注意が必要そうです。詳細は後日。)
【今回の選定結果は・・・】
さて、色々検討した結果、今回はこちらを6枚購入することにしました!
アマゾンでもAliExpressでも売ってました。
表と裏の外観。100W出力、単結晶型、バイパスダイオード付きです。
中国メーカですが、品質はさほど問題なさそうだ。
いや、もう中国産だからと侮る時代ではない。
出力の配線は裏から伸びていますね。
配線の先端はこんな感じ。
大概のパネルでこの「MC4」タイプのコネクタが付いています。
接続する際には対応したコネクタケーブルを準備しましょうね。
こんな感じでシステム構築の第一歩を踏み出しました!
次回はチャージコントローラ の説明をすると思います!!ご期待ください。
【参考Webサイト】
[1]ものづくりWEB 機械設計エンジニアの基礎知識 電気の基礎を学ぶ>半導体についてhttps://d-engineer.com/electric/handoutai.html
[2](動画:Youtube)CSS高校物理in八丈島 ハイレベル高校物理 原子導入1−3 光電効果とアインシュタインの光量子説
https://www.youtube.com/watch?v=Zlc6QDR3GOw
[3]産業技術総合研究所 太陽光発電研究センター 太陽電池の原理 原理の概要-上級編
https://unit.aist.go.jp/rcpv/ci/about_pv/principle/principle_3.html
[4]太陽光発電総合情報 実用化されている太陽電池の種類と特徴
http://standard-project.net/solar/panel/
[5]太陽光発電メリットデメリット解説 多結晶シリコン型
http://xn--9ckaldc9ld2ee7793f5ds3m4f276dqpb.biz/solar/module/803.html
[6]NTTレンタル・エンジニアリング株式会社 太陽電池とバイパスダイオードの原理に関する基礎知識
https://blog.nttrec.co.jp/solar-battery-bypass-diode/
それではまた!
(サンドマン)
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